昨今のテレビ販売不振の影響はジャパネットたかたにも押し寄せている
「いまテレビは異常なほど売れていません。商談にお越しになるメーカーさんも弱気なんです。
これまでにないぐらいに日本のメーカーさん自体が落ち込んでしまってるんです」
そう話す田明社長はこう続ける。
「いままでは液晶テレビの調子がよかったから、私たちの会社もすごくテレビの印象が強かったと思います。
しかし、昨年エコポイントの終了と地デジ化移行が実施され、業界全体として、その後は5割売り上げが落ちると言われてましたけど、実際は8割でした。
さらに、いまはその6掛けなんです。これがいまのテレビの販売状況なんです。
だから私どももはっきり言って昨年は減収。今年も減収です。だからとにかく方向を変えなければならないと、いま全社で変えています。
これがいまエコポイントと地デジ化終了後の1年の状態です。売り上げだけを見れば右肩上がりじゃないんです」
テレビの販売不振がこんなにもひどいとは思っていなかった。
テレビ販売の現場は、我々の想像を絶するものだったのだ。
順調のように見えるこの『ジャパネットたかた』でさえもここまでになるとは予想していなかったようだ。
「テレビが売れているとき、それでもぼくは危機感持ってました。エコポイントが終わる1年くらい前にも、
全社に『テレビに代わるものを早くみんなで考えておかないといけないぞ』とメッセージを流してね。
でも現実的に売れるときには売れるものを集中して売りますよね。
そしてテレビが売れなくなってこれまでのビジネスのスタイルとか、取り扱うカテゴリーとか、
戦略とかも含めて、方向を180度切り変えるよ! って言ってがんばってきたのが、この1年ちょっとなんですよ」
「ぼくは、テレビが復活するということは難しいと思います。台数では復活するでしょうが価格が戻らない。
昔のブラウン管テレビでは、32型がもっとも下がって10万くらいでした。
それが液晶では、いま32型は2万円ですよ。5倍売っても、そのブラウン管時代の売り上げにはいかないんです。
ですから、当然私たちも新しい方向を探っていくことは間違いありません」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20121031/238829/?P=1