イレッサが承認された当時、延命効果の有無は市販後に調査すればよいことになっていて、
延命効果を調べる第3相試験は行われないまま、承認された。発売開始後、国内での第3相試験が実施され、
その結果が報告されたが、ほかの抗がん剤と比べ「延命効果に有意差はなし」の結果だった。
海外ではすでに、同様の試験結果がいくつも出ていて、
05年1月には、アストラゼネカ社はEUでのイレッサの承認申請を取り下げている。
また同年6月、FDA(米国食品医薬品局)は「投与はすでに服用して効果のあった患者に限り、
服用経験のない患者には与えるべきでない」とする警告を出している。
http://www.gsic.jp/society/st_05/13.html 副作用が問題となっている肺がん治療薬「イレッサ」(一般名ゲフィチニブ)が効くかどうかを決める
遺伝子の変異を森口尚史・東大先端科学技術研究センター助教授らがほぼ特定した。
延命効果を期待できる患者は、この遺伝子変異がある人か、非喫煙者に絞られるという。
無駄な投薬の回避につながる可能性がある。英医学誌「ランセット」に発表した。
同センターとソウル大医学部、東京医科歯科大の共同研究で、対象患者は、韓国人、中国人、台湾人計135人。
腺がんなどの非小細胞肺がんの進行期にあって、他の薬物療法で効果が得られずにイレッサを使った患者を抽出し、
個々のデータを詳しく分析した。
注目したのは、細胞の増殖などを制御するL858Rと呼ばれるたんぱく質の遺伝子の変異。
この変異がある患者の平均生存期間は22か月で、変異がない患者の9・3か月と比べて1年以上の延命効果が確認された。
非喫煙者の場合は平均生存期間は24・3か月で、喫煙者の7・4か月より3倍以上長かった。
森口助教授によると、L858Rの変異は、喫煙者にはほとんどみられない。
喫煙歴のある非小細胞肺がんの患者に過剰に現れるAKR1B10という分子が遺伝子変異を抑え、
イレッサの効果を激減させている可能性もあるという。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060228i506.htm http://blog.livedoor.jp/yatugasira01/