地域で弔う共同墓…過疎地「無縁仏なくしたい」 おまえらの墓はどうするか考えてるか?
地域で弔う共同墓…過疎地「無縁仏なくしたい」
福岡県みやこ町犀川崎山地区(約120世帯)の住民たちが、地域全体で地元の亡くなった人をまつる共同墓「祖廟(そびょう)」の建設を進めている。
同地区では人口流出で供養する人がいなくなった墓が増えており、「無縁仏をなくしたい」と5年前から準備を進めてきた。間もなく完成し、28日に落成式が行われる。
過疎化が進む同地区では町外への転出が多く、管理する人がいなくなった墓は荒れ放題。地区内に本堂がある龍王寺の太田信昭住職(60)はこうした現状を目の当たりにし、解決策として共同墓を発案した。
同地区は農村地域で、元々、住民間のつながりは深い。「地区の全員が家族」との思いさえあれば、地域全体で墓を見守る仕組みも可能だという太田住職の意見に、寺の総代を務める吉武国夫さん(83)らも同調した。
2007年、地元住民から寺に近い田を寄進したいという申し出があり、この敷地に共同墓を作ることになった。農地転用の手続きを済ませ、今年1月に着工。
約70平方メートルの平屋の納骨堂がまもなく完成し、室内に120の納骨壇が入る。建設費用には賛同者からの寄付を充てた。
運営は賛同者らが設立する組合であたる。すでに86世帯から利用の予約が入っているという。
(2012年10月13日10時16分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121009-OYT1T00812.htm http://www.yomiuri.co.jp/photo/20121009-826877-1-L.jpg