【紀州田辺の星】ノーベル賞の山中教授 田辺中央病院に勤務
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=240112 ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授(50)が整形外科の臨床医時代に、和歌山県田辺市南新町の田辺中央病院で勤務していた。
当時を知る病院関係者は受賞を祝福し、「優秀さを感じさせる人。受賞はすごいが、ある意味驚いていない」と口をそろえた。
山中教授は神戸大医学部を卒業後、1987年に大阪市立大医学部整形外科学教室に入局。89年に同大学院医学研究科薬理学専攻博士課程に入学した。
同大学の関連病院である田辺中央病院では在学中の91〜92年の半年間、週1回程度勤務。午前は外来、午後は手術を担当していた。
山中教授と手術を担当していた松本澄人副総看護師長(50)は「人柄も素晴らしく、一緒に仕事しやすい人だった。手術が下手だったという一部報道もあるが、
そんなことはまったくなかった」と振り返る。大阪市立大学医局の先輩で、当時、国立田辺病院(現南和歌山医療センター)で整形外科医長だった田辺中央病院の
谷口良樹副院長(57)は「中央病院への応援で、一緒に手術したこともある。短期間の付き合いだが、人間的に非常に優秀で、どの分野でも成功したと思う。
同じ医局出身としても本当にうれしい」と祝福した。
山中教授は、さまざまな組織の細胞になる能力がある「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を開発した。iPS細胞を育てて作った体の細胞は、再生医療のほか、
病気の仕組みの解明や、新薬の安全性試験などに使える素材として期待されている。