「歳をとるにつれて体に蓄積されていくダメージを、薬や治療で修復すれば、人は老化せず、病気も食い止められる。老化や病気の原因は、突き詰めれば、
細胞の細かい損傷です。つまり、傷ついた細胞を修復し続けることができれば、人は永遠に生き続けられるのです。そのために必要な薬と技術は、
今後20年ほどで完成する可能性が高い」
英ケンブリッジ大学研究員で老年医学を専門とするオーブリー・デグレイ博士は、こう断言する。いくつかの条件を克服すれば、わずか20年後に、
人類は不老不死になるというのだ。
デグレイ博士は老化の原因を7種類に分け、その一つ一つを潰していくことにより、老化、ひいては死を克服できると主張する。彼が語るその内訳は次の通り。
(1)再生不可能な、脳や心臓の細胞が死ぬこと。
(2)細胞が正常に分裂せず、がん化してしまうこと。
(3)死んだ細胞が毒素を出し、周囲に影響すること。
(4)細胞が生み出す老廃物が、除去されずに細胞の中にたまってゆくこと。
(5)細胞の中でエネルギーをつくるミトコンドリアのDNAが、傷ついたり突然変異して、正しく機能しなくなること。
(6)細胞と細胞をつなぐコラーゲンなどのたんぱく質が、加齢とともにしなやかさを失うこと。
(7)新陳代謝によって生まれる老廃物が、細胞の外側にも付着すること。
「技術の発展がわれわれの加齢を追い越す日が必ず来る。いま中年以下の人たちは、その恩恵にあずかれるでしょう。
50歳前後の方はチャンスです。150歳まで生きる人が現れれば、その10年後には1000歳まで生きる人が現れるはずです。そして、社会は大きく変わる」
「女性の高齢出産が増えていますが、不老の薬が実現すれば、70歳、80歳になっても出産できる。女性は生きている限り子どもが持てるようになるでしょう。
外見も若いまま維持でき、しわやしみもできない。子どもたちに介護を頼む必要もなくなります」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33570