緑の海で培養、8000億円市場巡り日米企業が開発競争
微小な藻から搾り取る油がガソリンやジェット燃料の代わりに――。水中に漂う藻類が有力な
次世代燃料として浮上してきた。日米の大手やベンチャー企業が開発を競い、コストを商業生産可能な
水準に下げる培養技術にもメドが立ち始めている。次世代燃料の代表格であるトウモロコシとの
「主役交代」も視野に入りつつある。
石油の17%代替
「まさかと思うだろうが、藻類燃料は我々が輸入している石油の17%を代替することができる」。
オバマ米大統領は今年2月、マイアミ大学での演説で、天然ガスと並ぶ輸送部門の有望な
代替エネルギーとして藻類燃料を持ち上げた。「このあたりにもたくさんある藻類からエネルギーを
つくることができれば、我々は安泰だ」
米国では30年以上前から藻類燃料の研究開発が進む。米政府が定めた「再生可能燃料基準(RFS)」は、
ガソリンや軽油に混合する再生可能燃料の使用量を2022年までに約1360億リットルに拡大することを
目標に掲げている。ただ、トウモロコシ由来のエタノールは最大で約570億リットルしか生産が見込めない。
期待が高まるのは、より生産性の高い藻類燃料だ。
米国、豪州、ブラジルのエタノール自給率が9割を超えるなか、日本の自給率はわずか3%にとどまる。
日本の藻類燃料の研究はまだ事業化には壁があるが、普及できる価格で安定供給できれば
「国産の燃料の確保になり、安全保障上の効果も見込める」(日本政府関係者)。
米国での大干ばつを受けて穀物価格が高騰、トウモロコシを燃料に使うことに批判も出ている。
電力問題などでエネルギー輸入大国としての日本の課題が改めて浮き彫りになるなか、
貴重な「国産燃料」として、藻類の開発への関心も高まる。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD070B6_X00C12A9X11000/