技術者の転職志向強まる 「前向き」4割に急増
電機のリストラ背景に
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD130JJ_V10C12A9MM0000/ 製造業の技術者の転職志向が強まっている。技術者派遣のメイテックの調査によると製造業技術者の
39.3%が「会社よりも職業を重視」と回答し、転職を前向きに考える傾向がはっきりしてきた。電機を
中心に人員削減が進む一方、情報技術(IT)やエコカーなどで技術者の引き合いが強い。技術者の
流動化が進めば新分野の成長を後押しする効果が見込めそうだ。
会社より職業重視の「プロ志向」の回答率は昨年調査に比べて19ポイント増。勤務先の会社を重視する
「会社志向」は3.5%、「こだわらない」は20.5%。技術者も含めた人員削減が広がるなか「会社にぶらさが
らずに、自分の力で生き抜きたいと考える技術者が増えている」(メイテック)。
昨年から今年にかけ、NECやシャープなど電機全体の人員削減規模は1万人超。一方で、人材サービス
のインテリジェンスがまとめた8月の転職求人倍率は1.39倍で、調査を始めた2008年1月以降で最高値。
技術系の職種別では「IT・通信」(2.58倍)「電気・電子・機械」(2.23倍)の倍率が高い。スマートフォン
(高機能携帯電話=スマホ)のアプリ開発やエコカー、エネルギー分野は技術者の引き合いが強い。
技術を生かせる場所が新分野に広がっていることが、転職志向を強めている側面がある。
日本総合研究所の山田久調査部長は「エコカーや再生可能エネルギーは異業種どうしの技術融合が
必要。人材流動性が高まれば、新しい技術開発の進展に貢献する」と見ている。
調査はメイテックがインターネット調査大手のクロス・マーケティングと協力し、全国の製造業の正社員
技術職を対象に7月上旬にインターネットで実施。特定業種や企業に偏らないよう1000人から回答を得た。