電機各社、次世代送電網で提携相次ぐ 1社単独での供給困難
http://www.sankeibiz.jp/business/news/120907/bsc1209070501003-n1.htm 電機各社が、エネルギー供給や消費を効率化するスマートグリッド(次世代送電網)事業で相次ぎ
提携戦略を打ち出している。多くの機器や技術の組み合わせが必要なスマートグリッド事業は1社
単独で供給するのは難しく、最適化に向けてノウハウの融合が不可欠と判断しているためだ。
薄型テレビなど家電事業の苦戦が続く中、将来性有望なスマートグリッド市場の開拓に向け、提携の
動きがさらに広がるのは確実な状況だ。
東芝は、スマートグリッド関連事業で「足りない技術や機器はアライアンス(提携)とM&A(企業の
合併・買収)で補う」(佐々木則夫社長)方針を明確に打ち出す。今月3日には仏送電設備大手の
アルストムグリッド(AG)と協業することで合意。次世代電力計「スマートメーター」や蓄電池を得意と
する東芝と、送電など電力系統システムを世界で展開するAGのノウハウを融合し、相互に連携して
新規需要の掘り起こしを目指す。
東芝は昨年7月にはスマートメーター世界最大手のスイスのランディス・ギアを買収しており、買収・
提携戦略の強化により2015年度に関連事業で9000億円の売上高を目指す。
日立製作所も協業戦略を加速する。10年9月にはパナソニックと提携。日立が強みを持つ交通や
電力などインフラ技術と、パナソニックの家庭向け省エネ技術を融合し、効率的な技術開発を狙う。
日立は今年2月にも電力メーターの自動検針システムを手がける米シルバースプリングネットワークス
(SSN)と戦略的提携で合意。SSNの送電網末端からデータを収集する技術と、日立が持つ発電所
運用などのノウハウを融合し、世界市場の開拓を強化する。日立は一連の提携戦略などにより、
12年度には関連事業の売上高を1兆3000億円に引き上げる。
つづく
>>1のつづき
このほか、スマートグリッド分野では富士通が富士電機と提携し、NECも伊電力大手と連携。日本IBMも
富士電機などと共同で実証実験を進め需要開拓を目指している。
太陽光や風力発電など自然エネルギーは天候によって出力が変動し、大量に導入するためには電力
需給を最適化するスマートグリッドが不可欠。富士経済調べでは、スマートグリッドの世界市場は今後
10年で11年比6倍の5兆8000億円に拡大すると予想しており、各社は需要取り込みに向け、不足する
技術を提携で補いながら事業を拡大する青写真を描いている。(今井裕治)
■スマートグリッドをめぐる電機各社の主な提携例
提携内容 時期
日立製作所 米シルバースプリングネットワークスと提携 2012年2月
パナソニック 日立と技術開発などで協業 2010年9月
東芝 スイスのスマートメーター大手のランディス・ギアを買収 2011年7月
仏アルストムグリッドと協業合意 2012年9月
富士通 富士電機と提携 2010年3月
NEC 伊大手電力のエネルディストリビュゾーネと提携 2011年4月
富士電機 米ゼネラル・エレクトリックとスマートメーターの合弁設立 2011年2月
以上
ソースは
>>1の冒頭