「4K」テレビで事業不振打開狙う ソニー、東芝など相次ぎ投入
SankeiBiz 8月31日(金)8時15分配信
ソニーや東芝など家電大手が、ハイビジョン映像の約4倍の解像度を持つ「4K」と呼ばれる高画質の液晶テレビを相次ぎ発売する。
画面サイズが80インチを超すような大型テレビを近くで見ると画像の粗さが目立つこともあったが、4Kではより鮮明な映像を楽しめる。
価格下落で既存のテレビが軒並み不振に陥るなか、各社は付加価値の高い商品を投入して巻き返しを狙う。
[苦戦する液晶テレビ] 「もう何も期待できない…受注ゼロに」 取引企業、シャープ失速に悲鳴
「4Kを通じて臨場感あふれる映像視聴体験をお客さまに提供する」。31日に開幕する世界最大級のドイツの家電見本市
「IFA2012」のためベルリンを訪れているソニーの平井一夫社長は現地時間29日の記者発表で、4Kテレビを投入する意義をこう強調した。
ソニーが年内に発売する4Kテレビの画面の大きさは84インチで、世界最大級。全世界で順次発売し、
欧州での発売価格は2万5000ユーロ(約246万円)。日本での価格は未定という。
東芝もIFA開幕前の30日(現地時間)、84インチの4Kテレビを2013年度上期(4〜9月期)に全世界で順次発売すると発表した。
同社はすでに昨年末に世界で初めて55インチの4Kテレビを発売しているが、より大画面のテレビを投入して販売増につなげたい考えだ。
競争激化で低価格化が進む大画面テレビ市場で、4Kは特色が出せる商品として各社が開発に力を入れている。
パナソニックは4K技術を活用し、専用の眼鏡をかけずに高画質の3D(3次元)映像を楽しめる103インチの大型プラズマパネルを開発した
。シャープも4Kの技術を開発しており、IFAで商品を発表する予定だ。
しかも、現在は4K向けのテレビ放送が配信されていないため、既存のハイビジョン映像を4Kの高精細な映像に変換して
楽しむことが主流になる。今後はどれだけ専用のソフトを出せるかが、4K普及の鍵を握りそうだ。(大柳聡庸)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120830-00000003-fsi-bus_all