母性は、子供の時から育むべき? 乳房を使って搾乳の仕方を教える授業を実施
イングランド北西部リバプールのリザ−ランド・ハイスクールで、人形とニット製の乳房を使って搾乳の仕方を教えるという奇妙な授業が実施されている。
これは卒業資格試験の一環として、14歳から15歳の生徒40人に対し実験的に行われているもの。
もちろん、「14歳の子どもに母性を教えるなんて早すぎる」と怒りを買う恐れもある。
家庭崩壊の原因と結果をリサーチしているイギリスのボランティア団体「家庭教育トラスト(the Family Education Trust)」のノーマン・ウェルズ氏は
「性行・結婚が法で認められている最低年齢が16歳、女性が第一子を産む平均年齢は28歳なのだから、14歳の少女に授乳の仕方を教える差し迫った必要はない」と指摘する。
しかし、西ヨーロッパの中でもイギリスは10代の妊娠・中絶率が高く、中でもリバプールは国の平均よりも10代の妊娠率が高いのだ。
このプロジェクトをバックアップした「リバプール地域医療トラスト」のアリソン・ウェルチ氏によれば、この地域は、子どもは人工栄養で育てるのが普通という文化で、
ほとんどの生徒は家族や友人が授乳をする姿を見たことない。母乳保育は赤ちゃんにとっても母親にとっても都合がよく、健康面でも幅広い利点があることを生徒に理解させる
のがこのプロジェクトの主な目的らしい。
養護教諭のキム・ソーントンはこう言う。「若い生徒は、学校を卒業する頃には、将来、赤ちゃんをどう育てるか、自分なりの考えをまとめているとの調査結果が出ています。
私たちは、生徒たちが将来の選択をするうえで、必要は情報やアドバイスをすべて提供してあげたいのです」
イギリスでは生後1週間の赤ちゃんが母乳のみで育てられる率は35%、これが生後5カ月になると3%まで低下するそうだ。
リザ−ランド・ハイスクールの担当者によれば、授業前は将来母乳で子どもを育てようと考えている生徒はほとんどいなかったが、授業が終わるころには、大多数の生徒が
母乳も考慮してみようと思うようになるそうだ。
http://irorio.jp/kondotatsuya/20120811/23271/