おととしの春、学校を卒業した人などのうち、就職できなかったり早期に辞めたりした人が大学や専門学校では2人に1人、高校では3人に2人の割合に上っていることが内閣府の推計で明らかになり、若者の雇用がより深刻な状況に陥っていることが分かりました。
これは、全国すべての学校を対象にした就職調査や、雇用保険の加入状況などを基に内閣府が推計したものです。
それによりますと、おととしの春、大学や専門学校などを卒業して就職した人は、56万9000人でしたが、このうち19万9000人はすでにその仕事を辞めていました。
さらに卒業しても無職だったりアルバイトなどをしていた人は14万人、これに中退した6万7000人も加えるとおよそ2人に1人に当たる52%が就職できなかったり早期に辞めたりしていたと内閣府ではみています。
また、高校を卒業して就職した人は18万6000人でしたが、
すでに辞めた人は7万5000人、無職だったりアルバイトなどをしていた人は10万7000人、これに中退した5万7000人を含めるとおよそ3人に2人に当たる68%が就職できなかったり早期に辞めたりしていました。
ところで、厚生労働省と文部科学省がおととしの春に卒業した人を対象にしたサンプル調査による就職内定率の速報値は、大卒で91.8%、専門学校卒で87.4%、高卒で93.9%でした。
今回の内閣府の推計はすべての学校が対象で、就職したあとの状況も含めたもので、若者の雇用がより深刻な状況に陥っていることが明らかになったことになります。
これについて内閣府では、景気の低迷で企業が新規の採用を絞り込んでいることに加え、大企業志向が根強い学生と採用意欲がある中小企業との間のいわゆるミスマッチが解消されていないこと、就職しても早期に辞めてしまう人が多いことなどが背景にあるとみています。
内閣府は、野田総理大臣が出席する19日の対策会議にこの実態を報告し、ことし6月をめどに若者の就職を支援するための総合対策を取りまとめる方針です。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120319/k10013812061000.html