臨時規制の歩道渡った女性 警察に連行 5時間拘束
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/images/PK2012031902100004_size0.jpg 女性が連行された当時、周辺は興奮したサポーターらで混乱していた=2010年6月25日午前6時22分、JR渋谷駅前で
歩行者通行が規制されていた横断歩道を渡ったことをきっかけに警視庁に長時間拘束され、精神的苦痛を受けたとして、
東京都西東京市の四十代の女性が都を相手取り、百万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。女性は「酒に酔って
勝手に渡ったのは悪いが、五時間もの拘束と、写真や指紋をとることが違法だと確かめたい」と話している。 (大野孝志)
訴状などによると、女性が拘束されたのは、サッカーワールドカップ(W杯)の日本−デンマーク戦の直後の二〇一〇年六
月二十五日午前六時半ごろ。女性は、渋谷区内の飲食店で酒を飲みながら試合中継を観戦した。帰宅途中にJR渋谷駅前
のスクランブル交差点で、車の交通を確保するため臨時で通行禁止になっていた横断歩道を渡った。信号は青だった。
渡り終えた辺りで警察官に注意され、二人に両腕をつかまれ、近くの渋谷駅前交番にひきずられて連れて行かれた。
パトカーで渋谷署に連行され、同十一時五十分ごろまで、署で写真や指紋をとられるなどした。拘束や連行の際に左脇に擦り
傷を負った。
帰宅させてくれるよう何度も頼んだが、警察官は「夫に連絡が取れるまで帰さない」「反省の態度が見られない」と告げた。
携帯電話で弁護士の電話相談窓口にかけた直後に「帰っていいぞ」と言われたという。
本紙の取材に渋谷署は「個々の保護の扱いについては話せない」。警視庁訟務課の前田守彦課長は「訴状を見ていないの
でコメントできない」とした。
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