※続きました
さらに「中央銀行が長期金利に介入して長期金利が低く抑えられると、金融機関にとって収益の源泉
であるスプレッド(金利差)が縮小するので、金融機関には非伝統的な手段は早くやめてもらいたい
という気持ちがあったと思う」と指摘。しかし「ここまで来ると日銀が買い入れをやめると国債が下落
して膨大な評価損が発生するので、続けられても地獄、やめられても地獄という状態になっている」という。
消費税率引き上げをめぐる論戦が続く国会では、景気の停滞と物価の下落が長く続いていることに対し、
日銀へのいら立ちの声が強まっている。白川総裁は連日のように国会に呼ばれ答弁に立たされているが、
NHKで全国中継された2月7日の参院予算委員会では、やじが乱れ飛び、答弁をいったん中断せざるを
得ないほどだった。
■かたくなな組織が日本には必要だが
内海氏は「日銀法改正で独立性を強めたにもかかわらず、なかなか独立性が強まったとは思えない。
独立性だけが正しいと言っているわけではないが、どこか頑固なくらい則(のり)を守ろうとする
組織が日本には必要だし、それがあるとすれば日銀だと思うが、今は政治家のペースに巻き込まれ
過ぎている」と語る。
先進国で最悪と言われる日本の財政状況。それにもかかわらず、長期金利は1%を下回る水準で推移
しており、日銀の国債購入に追随するように、民間金融機関も国債保有額を膨らませ続けている。
日銀が先月29日発表した民間金融機関の資産・負債によると、1月末の国内銀行の国債保有高は166.7兆円
と過去最高を記録した。
内海氏は「国際的に発言が注目される人たちの間から、何となく日本売りみたいな雰囲気が出てきている。
国債のバブル崩壊だけが単独で来るのではなく、その時は円安・株安・債券安のトリプル安という形
で日本売りになる」と語る。原子力発電の代替で石油と天然ガスへの依存度は非常に高まっている。
「今までは円高恐怖論ばかりだったが、ついこの間1ドル=120円だったことがあるわけで、今120円に
なったらエネルギーコストの上昇で大変なことになる」と話す。
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http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M08NZ41A1I4H01.html