米インターネット通販大手のアマゾン・ドット・コムがネット上での鯨肉の通販を停止したことが、26日分かった。
世界各国に支部を置く動物愛護団体「ヒューマン・ソサエティー・インターナショナル」(HSI)などが、調査捕鯨で取れた鯨肉や、
和歌山県太地町産の鯨・イルカ肉加工食品を取り扱う日本法人アマゾン・ジャパンへの非難キャンペーンを始めており、
国際的に高まる批判をかわすための措置とみられる。(佐々木正明)
アマゾン・ジャパン広報部は産経新聞の取材に対し、「回答を控えたい」と通販停止の理由説明を拒否している。
同社はこれまで、全国の業者が販売する「鯨ベーコン」や「くじらカレー」などの食品や、
反捕鯨団体シー・シェパードがイルカ漁を妨害する太地町産の関連加工食品など、100以上の商品を取り扱ってきた。
しかし今月22日以降は、出品サイトに「入力したURLが当サイトのページと一致しません」と表示され、商品の説明や写真が全て消えている。
アマゾン・ジャパンは前日の21日ごろ、鯨肉の販売業者に、出品サイトから商品を取り下げるよう要請していた。
山口県下関市の業者は「一方的な電話連絡で、理由はまったく教えてくれなかった」と指摘。
千葉県南房総市の業者も「すぐにやめてください」と口頭で指示されたという。
一方、HSIは21日、公式サイトを通じて「アマゾンは鯨の大量殺りくで利益を得ている」との声明を出し、非難キャンペーンを展開。
通販サイトでの鯨肉販売に関する実態調査の結果も公表し、「アマゾンは、絶滅危惧種の取引を禁じる明確な方針を持っているのに、
日本のサイトでは、絶滅の危機にひんした鯨の商品の取り扱いについて見て見ぬふりをしている」と主張した。
日本の市場には、反捕鯨団体が反対する調査捕鯨で取れたミンククジラやアイスランド産のナガスクジラの肉などが流通しているが、
水産庁は「国際的なルールにのっとり、販売を許可している商品であり、違法な鯨肉ではない」と話している。
MSN産経ニュース(2012.2.27 08:17)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120227/its12022708190000-n1.htm