貨幣処理機メーカーのグローリー(姫路市)は14日、英国の同業大手、タラリス社を買収すると発表した。
2012年度中にタラリス社の発行済み株式総数の全株を取得する計画。買収総額は6億5千万ポンド(約800
億円)を見込む。欧米市場に強いタラリス社を傘下に収め、海外事業展開を加速する。(広岡磨璃)
タラリス社の連結売上高は3億2100万ポンド(約400億円、2011年3月期)で、従業員約1900人。金融機
関窓口向けの紙幣入出金機で世界シェア41%のトップメーカーで、欧米を中心に世界22カ国に直販網を持つと
いう。
日本市場は貨幣処理機の導入・更新が一巡し、将来的な需要拡大は見込まれないと判断。タラリス社が得意と
する保守サービス力と広範な販路を吸収することで、さらなる企業の成長につなげる考えだ。
買収資金は自己資金と借入金で調達。投資ファンドと、タラリス社の経営陣から全株式を取得する。買収総額に
はタラリス社の既存有利子負債の借り換えを含んでおり、株主からの株式取得額は実質的に約530億円となる
見通し。今後、各国の独占禁止法に基づく当局の認可を経て、買収を成立させる。
大阪市内で記者会見したグローリーの尾上広和社長は「欧州債務危機に直面しているが、(買収による)相乗効
果で成長を図る。北米、中南米などの需要や、不況に強い保守サービス力を生かしたい」と話した。
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