債務危機に陥ったギリシャ。連立与党は財政緊縮策の受け入れを大筋で合意し、財政破綻回避に向け一歩前進しました。
その一方で、ギリシャに見切りをつけ、他の国に出て行く若者が後を絶たない現実があります。
9日未明、ギリシャのパパデモス首相と主要各党は、最低賃金の引き下げや公務員の削減などを含む「財政緊縮策」で大筋合意しました。
ただ、焦点となっていた「年金の減額」については合意には至らず、9日のユーロ圏財務相会議までに結論を出すとしています。
全面的に合意すれば、EUやIMF=国際通貨基金からの総額13兆円にのぼる金融支援に向けて一歩前進することになります。
一方で、ギリシャ国民は度重なる「緊縮策」に不満を募らせていて、特に財政規律強化を訴えるドイツへの反感が高まっています。
しかし、実は、そのドイツに移住するギリシャの若者が増えているといいます。どういうことなのでしょうか。
ギリシャを震源としたヨーロッパ債務危機の再燃が懸念されるなか、ドイツ経済は好調を維持。まさに「独り勝ち」です。
「景気は驚くほどいい。銀行は少し困っているみたいだが、みんなよく買い物している」(ベルリン市民)
去年上半期で見ると、ドイツに移住した外国人は38万人と、前年比で21%増加。中でもギリシャからの移住は84%も増えています。
ベルリン市内でギリシャ料理店を経営するチャラランボスさん。職を求めるギリシャ人からひっきりなしに連絡が来ると話します。
「週に平均で7回も仕事が欲しいというギリシャ人から電話があるよ」(ギリシャ料理店経営 チャラランボスさん)
友人を頼って3か月前、ドイツにやってきたこの男性は、この店の厨房で働き出した新入りです。
「ギリシャでは仕事がなくて最悪ですよ」
EU=ヨーロッパ連合の統計によりますと、ギリシャの失業率は18.8%。特に15歳から24歳の「若年失業率」が高く、47.2%にも達します。
若者の就職難が「人口移動」につながる現実。ヨーロッパの「格差」が改めて浮き彫りになった格好です。
http://www.mbs.jp/news/jnn_4948577_zen.shtml