国際結婚が破綻した場合の子の扱いを定めた「ハーグ条約」加盟に向け、国内手続きを検討してきた法制審議会(法相の諮問機関)は7日、小川敏夫法相に国内法の要綱を答申した。
日本人の親が日本に連れ帰った子(16歳未満)の返還を外国人の親が申し立てた場合、虐待や家庭内暴力(DV)を受ける恐れがあれば拒否できると明記した。
法務省は返還手続きを定めた関連法案を3月中に国会に提出する方針で、成立すれば条約加盟に向けた国内体制が整う。
ハーグ条約は夫婦のどちらかが子を国外に連れ去った場合、子を元の居住国に戻し、その国の裁判でどちらが養育するかを決めると規定。これを踏まえ、要綱は日本人の親が日本に連れ帰った子について、
外国人の親が返還を申し立てた際の手続きなどを定めている。
要綱は、外国に住む親に情報提供など支援を行う機関「中央当局」を外務省に設置すると規定。返還申し立てがあった場合、東京か大阪の家庭裁判所で非公開で審理され、
決定に不服があれば抗告できる。子が暴力を受ける恐れがある場合に加え、返還を求める親がアルコール中毒などで子の養育が困難な場合も返還を拒否できるとした。
一方、家裁の返還命令に応じなければ、金銭の支払いを命じるペナルティーを科し、2週間経過しても従わないときは、裁判所の執行官が強制執行で引き渡せることにした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120207-00000088-jij-pol