デザートや紅茶飲料、シチューなど幅広い分野で「味の濃さ」を売り物にした食品や飲料の発売が相次いでいる。
年間販売目標を前倒しでクリアするなど、ヒット商品も出てきた。
原料を多く使っていることで消費者が“お得感”を感じているほか、冬に温まるという点などが見直されているようだ。
濃艶(こいつや)ショコラ、濃厚チョコレートのラテ…。森永乳業が昨年12月から今月にかけて発表した新商品のうち、濃厚さを特徴としたものは5つを数える。
同社は「気持ちがリラックスして温まることから、冬には濃厚な味わいが好まれるが、今冬は特にこうした新商品が多い」としている。
今月17日に発売したチョコプリン「濃艶ショコラ 焼キャラメルショコラ」は、カカオ分の占める割合が高く、
濃厚な味に仕上げる「クーベルチュールチョコ」を12%使用。パッケージは黒を基調にし、チョコの濃さを印象づけている。
キリンビバレッジは昨年9月、「午後の紅茶 パンジェンシー 茶葉2倍ミルクティー」を発売。
「2倍」は06年から販売していたが、茶葉の配合を変えるなどして刷新したところ、9〜12月の実績で前年比約1割増となった。
森永乳業が先月、期間限定で投入した「リプトン 贅沢ミルクティー〜ミルクの極み〜」は、従来の同社商品と比べてミルク分を2.8倍に高めた。
濃厚さを打ち出した飲料が冬に発売される傾向はあったが、さらに「濃く」なった。
エスビー食品が昨年8月に投入した「濃いシチュー」は、4カ月で年間目標販売額の12億円を突破。
「その後も販売好調で、もうすぐ17億円に達する勢い」(同社)という。
消費者調査でシチューに求めるものとして「うまみ」「コク」「味わいの深さ」など、「濃さ」と近いキーワードを挙げた人が多かったことがあり
発酵バターと特別なブイヨン(だし)で濃厚さを出した。
濃い味わいの食品が人気となる背景について同社は「先行きが不透明な社会状況の中、『お得感』や『確かな手応え』を感じることができるからではないか」と分析している。
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