喫煙者の採用拒む企業増える〜病院など、雇用差別との批判も
職場での禁煙が半ば常識となる中で、喫煙者に対しては採用すら見合わせる企業が増えている。
USAトゥデイによると、病院を中心とするこうした雇用者は、就職希望者に尿検査を実施し、ニコチン反応が出た場合、
原因がたばこか電子たばこ、禁煙パッチかに関係なく採用しない方針を導入している。
新しい採用条件は、従業員の健康増進に加え、医療保険料の引き下げにもつながるとみられている。1月にはテキサス州の
医療機関ベイラー・ヘルスケア・システムで導入されたほか、オハイオ州トレドで今年開業するハリウッド・カジノでも導入される。
厚生省疾病対策センター(CDC)によると、喫煙や間接喫煙は毎年44万3000人の早死にの原因となっており、国民に
総額1930億ドルの医療費負担、企業には生産性の低下をもたらしている。一方、1965年に42.4%だった成人の喫煙率は、
2010年には19.3%に低下している。
ただし、喫煙者は採用しないという厳しい方針に対しては、公衆衛生の専門家からも異論が出ている。ボストン大学のマイケル・
シーゲル教授(公衆衛生学)は「雇用差別だ。喫煙者の禁煙を助けるよりも罰しようとする行為で、かなり危険な先例になる」と
警告する。
たばこ産業や米市民自由連合(ACLU)は、アラスカ航空など数社が喫煙者を採用しない方針を導入した数十年前から、
喫煙者の権利を守るためのロビー活動をしている。その結果、現在29州とワシントンDCで喫煙者保護法が成立している。
http://www.usfl.com/Daily/News/12/01/0123_033.asp