「坂の上の雲」秋山好古の遺言′ゥつかる 日露戦争出征前、ユーモアまじえ
2012.1.7 19:18 (1/2ページ)
秋山好古が親友、加藤拓川に宛てた手紙。日露戦争出兵を「兎狩りに出発」と表現している=大阪府立弥生文化博物館(川西健士郎撮影)
司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』の主人公の1人で、「日本騎兵の父」と称される軍人・秋山好古(よしふる)が日露戦争への出征直前、
親友に宛てた手紙が発見されていたことが7日、分かった。「モット(酒を)飲ンテ妻君連ヲ困ラセテオイタラヨカツタ」と酒飲みらしい
豪快な辞世の言葉や、妻の妊娠を「陸海軍ノ内何(いず)レカ一人繁殖セシ徴候」と表現する軍人らしいユーモアも。専門家は
「死を覚悟した好古の“遺言”とも言える大変貴重な手紙だ」としている。
手紙は、日露戦争への出征が決まった翌日の明治37(1904)年4月22日付で、親友の外交官、加藤拓川(たくせん)に宛てて書かれていた。
拓川の孫にあたる奈良市在住の正岡明さん(66)が所蔵。NHKのスペシャルドラマ『坂の上の雲』の放送を機に、昨年12月、
大阪府和泉市の府立弥生文化博物館で初公開された。
手紙が書かれた当時、好古は45歳で、陸軍騎兵第1旅団長として千葉県習志野市に待機。同旅団は明治37年4月21日に
参戦が決まっており、この翌日に、当時ベルギー特命全権大使だった拓川に宛てて手紙を書いたことになる。
手紙では、日露戦争を取り巻く慌ただしい国際情勢を「愈々(いよいよ)大騒キトナリシ故オレノ無頓着モ少シ急(せ)カシクナリタリ」と始め
、「五月一日ヨリ兎狩リニ出発ノ積リ」と、日露戦争をウサギ狩りに例えるユーモアをまじえて出征を報告。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/120107/wlf12010719300028-n1.htm