<ユーロ圏債券> 独連邦債が上昇。多額の債務や経済問題への懸念から、
ドイツ以外のユーロ圏ソブリン債は全般的に売り圧力にさらされた。
来週、入札を控えるスペインとイタリアの国債への圧力が特に強く、両国の指標債利回りは、
欧州中央銀行(ECB)が買い入れを実施したとみられるなか、15―20ベーシスポイント(bp)上昇した。
この日フランスが実施した10─30年債入札は、同国のトリプルA格付けが引き下げられる
可能性があるとの警戒感を背景に利回りが前回入札時から若干上昇したものの、
全般的な需要はしっかりとなり、調達総額は79億6000万ユーロ(103億ドル)と、予想レンジの上限になった。
入札は無事に消化されたものの、10年物仏国債利回りFR10YT=TWEBは4bp上昇、3.37%となった。
市場が格下げ確率を織り込むなか、同じ「トリプルA」を付与されている独連邦債の利回りを152bp上回っている。
中銀法をめぐって欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)との摩擦が広がるハンガリーへのエクスポージャーが懸念され、
オーストリアの国債が売られたほか、EU/IMFの50億ユーロの融資実施が3カ月ずれ込む見通しとなるなど、
ギリシャをめぐる懸念も再燃しつつある。
独連邦債先物FGBLc1は70ティック高の138.79。
スペイン国債10年物ES10YT=YWEB利回りは18bp上昇し5.66%となった。同国のデギンドス経済相が2日、
2011年の赤字が対国内総生産(GDP)比で8%を超えた可能性があると発言したことを受け、
スペイン国債は、今週に入り他のユーロ圏国債をアンダーパフォームしている。
同相が、国内銀行は不動産資産への引当金を積み増す必要があるとの見解を示したことを伝える報道や、
バレンシア州がドイツ銀行(DBKGn.DE: 株価, 企業情報, レポート)に対する債務返済を
先延ばししていたことが明らかになったことも、スペインに対する市場心理を冷やす要因となっている。
イタリア国債10年物利回りIT10YT=TWEBは16bp上昇し7.12%となった。
トレーダーからは、ECBの国債買い入れは小規模にとどまっているとの声が聞かれた。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPJT805602220120105