阪神・淡路大震災VS東日本大震災
阪神・淡路大震災の被災者向けに借り上げた兵庫県営復興住宅が2016年度から返還期限を迎える問題をめぐり、県は22日、入居者に対し8月に行った住み替え意向調査の結果を正式発表した。
回答した入居者の約3割が「住み替え困難」とし、理由では「高齢」と「病気・体調不良」がそれぞれ約4割に上った。県は来年1月にも専門家らの検討会を設け、対応策について意見を求める。
県は震災後、住都公団(現・都市再生機構)から住宅を借り上げ、被災者に提供。12月1日時点で2059世帯が入居する。最長20年の契約期限が迫り、県は8月から住み替え先の紹介や支援金支給を始めた。
今月21日時点で56世帯が転居を決めたという。
調査は支援開始と同時に行い、1211世帯から回答を得た(回収率58%)。住み替えの設問には1137人が答え、このうち32%の361人が「困難」とした。昨年10月に行った同様の調査より15ポイント減った。
困難な理由については自由記述で求め、複数の要因を含めて分類した結果、「高齢」が41%で最多。361人の世帯主年齢を見ても75歳以上が55%を占めた。
次いで「病気・体調不良」が36%、「かかりつけの病院から離れたくない」が19%と続いた。
住み替え先の希望地域(複数回答)は、神戸市中央区が363人、兵庫区が344人、灘区が318人、長田区が198人などだった。
県は来年1月、医療や福祉などの専門家らによる検討会を設ける。棟ごと借り上げている住宅の買い取り、再契約や他の対応策など、3月までに提案を求め、来年度中に方針をまとめる。
今回の調査結果をめぐっては、井戸敏三知事が今月開かれた県議会で中間まとめを報告していた。(井関 徹)
(2011/12/23 08:17)
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004700652.shtml