>>680 他にもその初代には色々思い出があるんだけど当時俺の家は俺を頭に妹二人の母子家庭でかなり貧乏だったんだが
大晦日の晩にその初代猫が大きな板付きの蒲鉾を咥えて持ってきたんだ。
大きく寿、と書かれた色とりどりで見たことないような豪華な蒲鉾。 母はそれを見て猫を叱り飛ばしたんだが
猫が隠れてしまった後に咥えた歯の跡も殆ど残ってないその蒲鉾を見て「あの子なりに気を使ったんだろうかねえ」と
すごく複雑な顔をしてその蒲鉾を見つめてた。
質素な年越しの食卓にでん、と置かれた蒲鉾はひどく不釣り合いに思えたのを覚えている。
猫だから蒲鉾は大好物なのに持ってくるのに齧る事もせず、歯も立てずに皆のいる食卓まで運んできたのは
すごく印象に残ってるな。 でも大晦日に用意してあった蒲鉾を家に侵入した猫に盗られた家は溜まったもんじゃないけど。
母も「返すにもどこから持ってきたか分かんないしどうしたもんだろう」と暫く思案してたのを思い出す。