大王製紙前会長を特別背任容疑で逮捕へ
大手製紙会社「大王製紙」の井川意高(もとたか)前会長(47)による100億円超の巨額借り入れをめぐり、
連結子会社7社に総額85億8千万円の損害を与えたとして、東京地検特捜部が22日に会社法違反
(特別背任)の疑いで前会長を逮捕する方針を固めたことが、関係者への取材で分かった。
関係者によると、借り入れた資金のほぼ全額が、カジノ関連会社の口座に送金されていた。
特捜部は口座の出入金記録や関係者への聴取から、井川前会長がカジノに使った可能性が高いとみている。
大王製紙は21日、同法違反容疑で前会長を告発した。同社の特別調査委員会の調査によると、
前会長は昨年5月〜今年9月に26回にわたり、連結子会社7社から総額106億8千万円を無担保で、
取締役会の承認を得ないまま借り入れた。一部は返済され、59億3千万円が未返済とされていた。
大王製紙は、前会長が現金以外の株式を預けることで代物弁済したとする部分を未返済と判断。
告発状では総額85億8千万円が未返済で、これが損害に当たるとしている。
特捜部による任意での事情聴取に対し、前会長は事実関係は認めているが「借り入れを受けた当時は
犯罪に当たるとの認識はなかった」と犯意を否定。
未返済分についても「株を売却するなどして返済するつもりだ」と話しているという。
調査では、前会長が子会社の役員に電話し、金額を指定して「明日までに振り込むように」と指示。
一部の役員には口止めをしていたことが判明。昨年5月以前にも、前会長が関連会社から
5億3千万円を借り入れていたことも分かっている。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011112290002842.html