【日経BP】オリンパス社長解任劇、すべての真相を話そう 渦中のひと、ウッドフォード前社長の告白
オリンパス社長解任劇、すべての真相を話そう 渦中のひと、ウッドフォード前社長の告白(1)
隠し続けた雑誌記事
すべては、雑誌「ファクタ」8月号に載った記事が始まりだ。あれがなければ、私は今でも何も
知らないまま社長を続けていただろう。
その記事には、2006〜08年にかけて買収した国内3社のことが記されていた。医療関連の産業
廃棄物処理を手がけるアルティス、電子レンジ用容器を企画・販売するNEWS CHEF、化粧品を通信
販売するヒューマラボの3社で、そこに合計700億円ものカネを投じていた。いずれも本業とほとんど
関係がないうえ、買収額に見合うような売上高がない。社外の親しい友人が見つけて、わざわざ
英訳して「この記事を見ろ。深刻な内容だぞ」と教えてくれたんだ。
2週間ぶりに帰国し、8月1日、新宿の本社に出社した。この記事のことを誰かが話しに来ると
思っていた。ところが、誰も報告に来ない。不思議に思い、信頼できる社内の人に尋ねると、
菊川剛会長が「記事の存在をウッドフォード社長に話すな」と指示していたことが分かった。
「社長は忙しすぎるから、記事を見せなかった」
翌朝、私と菊川会長はビックカメラに行くことになっていた。「ここで、記事について話したい
のだろう」と思っていたが、それは単なる視察に終わった。そこで、菊川会長と、その右腕である
森久志副社長と会議を開いた。「なぜ、私に記事のことを隠すのか」と問いただすと、菊川会長は
自分が社内に指示したことを認めて、こう言った。
「あなたは社長で、忙しすぎるからだ。くだらない記事だ。全く気にすることはない」
この瞬間、裏に何か大きな嘘が隠されていると感じた。
(続きはウェbで)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20111025/223410/?top_updt&rt=nocnt