空売りで利益 情報漏れを調査
東京電力など大手企業3社の公募増資を巡り、複数のヘッジファンドが増資の公表前から
3社の株を大量に空売りし、巨額の利益を得ていたとみられることが分かりました。
公募増資を担当した証券会社が、ヘッジファンドに事前に接触していた疑いがあるため、
証券取引等監視委員会は、インサイダー情報が漏れていなかったか調査しています。
国際石油開発帝石と日本板硝子、それに東京電力の3社が去年行った公募増資を巡っては、
株が大量に空売りされ、株価が大きく値下がりしました。株の空売りは、株価が下がることを見越して
手元にない株を借りて先に売却し、あとから株を返す投資方法で、株価が下がれば売却した
株価との差額が利益になります。3社の公募増資では、多額の資金を運用する複数の
ヘッジファンドが増資の公表前から空売りを仕掛け、巨額の利益を得ていたとみられます。
企業が新たに株を発行し、資金を調達する公募増資では、1株当たりの価値が減り株価が下がる傾向にあり、
証券取引等監視委員会は、公表前に増資の情報を入手していた疑いがあるとみてインサイダー取引に
あたらないか調査に乗り出しました。関係者によりますと、公募増資を担当する証券会社は、
大口の顧客であるヘッジファンドに事前に接触し、増資を引き受けるか調査する場合があり、
3社の増資でも接触していた疑いがあるということです。証券取引等監視委員会は、証券会社から
情報が漏れていなかったか関係者に事情を聞くとともに、証券会社のコンピューターの電子メールを
分析するなどして調査を進めています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111024/t10013453081000.html