東日本大震災:廃棄物受け入れ、県内の4市町と4団体「検討していない」 /熊本
東日本大震災の被災地で発生した廃棄物について、4月の環境省の調査で「受け入れの余力
がある」としていた県内の4市町と4団体が、受け入れは「現段階では検討をしていない」とする意
向を示した。県が意向を取りまとめ21日、環境省に伝えた。【澤本麻里子、勝野俊一郎】
環境省は4月8日、全国を対象に受け入れ能力などを調査。県内では▽熊本市▽天草市▽水俣
市▽山都町▽大牟田・荒尾清掃施設組合▽天草広域連合▽水俣芦北広域行政事務組合▽阿蘇
広域行政事務組合−−が「余力がある」としていた。
ただその後、東京電力福島第1原発事故による放射性物質の汚染の問題が浮上。今月19日に
は福岡市が「施設から出る汚水の放射性物質を完全に取り除くことはできない」として受け入れ拒
否を決めるなど、各地で同様の動きが広がっている。
このうち年間5万トンの処理能力があると回答していた熊本市は21日「安全性を確認できない以
上、受け入れは難しい」と表明。市によると、焼却灰に雨水が混じった場合、放射性物質が外部に
流れ出る恐れがあるという。市廃棄物計画課は「被災地を支援していく方針は変わらない。今後も
情報収集を続けていく」としている。
一方、水俣市は4月時点で1日5トン、年間500トンの埋め立て能力があると回答。ただ、原発
事故の影響を受けて「現時点で住民の理解を得るのは難しい」(市環境モデル都市推進室)と判
断したという。
環境省は今月7日、全国の自治体に受け入れの検討状況を確認する文書を送付。21日が回
答期限だった。
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20111022ddlk43040554000c.html