【10月4日 AFP】免疫システムの研究で3日に2011年ノーベル医学生理学賞(Nobel Prize for Medicine)の
受賞が決まったカナダのラルフ・シュタインマン(Ralph Steinman)氏は、数日前に膵臓(すいぞう)がんで
死去していた。
娘のアレクシス・シュタインマン(Alexis Steinman)さん(34)が3日、AFPに明らかにしたところによると、
受賞理由にもなった発見が延命につながったものの、4年間の闘病生活の末、前月30日に亡くなったと
いう。「私たちは冗談まじりに言ったものです。『月曜日まで何とか生き延びて。ノーベル賞をもらうまでは
がんばらないと』ってね」
シュタインマン氏は数年前、ノーベル賞の最終候補者リストに入ったことを知らされ、期待に胸を膨らま
せていた。その年の受賞は成らなかったが、家族は以後、受賞の可能性を強く意識するようになったという。
スウェーデン・カロリンスカ研究所(Karolinska Institutet)のノーベル委員会には、「故人には授与しないが、
発表から授賞式の間に死去した場合は授与する」という規定がある。発表後に死去の知らせを受けたという
同委は、シュタインマン氏への授与に変更はないと強調した。
同委のヨラン・ハンソン(Goeran Hansson)委員長は、スウェーデンの通信社TTに対し、「わたしたちに
今できることは、本人がこの喜びを味わえなかったのを残念に思うことだけだ」と述べた。
(c)AFP/Kerry Sheridan
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2832537/7869948