【シリコンバレー=奥平和行】交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックは21日、SNSの機能を拡充すると発表した。
米国内外のメディア企業などと連携し、SNSと連動するソフトを増やすほか、利用者が自己紹介に使うページも刷新する。
SNSを巡っては米グーグルが本格的に参入するなど競争激化も見込まれており、機能拡充でライバルを突き放す。
同日に米サンフランシスコで開いた開発者向け会議「f8」で、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が発表した。
ザッカーバーグCEOはフェイスブックの利用者が8億人に達したと説明し、
「過去5年間は利用者拡大に力を注いできたが、今後5年はアップ(ソフト)の拡充や利用者とのきずな強化がカギを握る」と述べた。
ソフトでは音楽配信の英スポッティファイや動画配信の米ネットフリックス、米大手新聞のUSAトゥデーなどと協力する。
フェイスブックは「オープングラフ」と呼ぶ情報共有の機能を強化し、メディア企業などが対応ソフトを開発する。
ソフトの利用者は「いいね!」ボタンなどを押さなくても、コンテンツの利用状況を友人と共有できるようになる。
例えばスポッティファイでは、対応ソフトを通じて音楽を聴くだけで、友人にその曲目を知らせることが可能。友人も同じ音楽を楽しむことができる。
フェイスブックはメディア企業などに広く新機能に対応したソフトの開発を働き掛け、SNSの利用促進につなげたい考えだ。
一方、自己紹介ではこれまで「プロフィール」という名称で提供していた機能を「タイムライン」に改める。
フェイスブックへの写真の投稿や書き込みなどを自動的に年表形式で表示することにより、「自分史」の公開が可能になる。
表示内容を大幅に拡充することで、利用者間の相互理解が深まるとみている。
一部の機能は21日から提供を始めた。オープングラフなどの機能強化に対しては利用者がプライバシー保護の観点から懸念を持つ可能性もあるが、
フェイスブック幹部は「公開する情報の内容は相手をきめ細かくコントロールすることができる」と述べ、こうした問題を回避できるとの見方を示している。
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C9381959CE0E1E2E2868DE0E1E2EBE0E2E3E3E2E2E2E2E2E2