1万トン以上の汚水ゴミ油が市場に・・地溝油の巨大工場摘発 〔2011年09月15日掲載〕
ゴミや汚水から作る油”地溝油”、もちろん食用に適するはずがない。”地溝油”が汚いというだけでなくもっと恐ろしいのは、廃棄物から出た鉛や重金属などの発ガン性の有毒物質が溶け込んでいることだという。
報道によると、先ごろ浙江省、山東省、河南省の公安部門が協力して地溝油を原料購入から加工、販売までを手掛ける巨大工場と組織を摘発したという。
2011年3月浙江省寧海警察は、地溝油を作っている人がいるという市民からの通報を受けた。そして地溝油を製造していた黄長水ら6人を逮捕した。
黄の話によると、初めは工業用に廃棄油を集めていただけだった。しかし後に山東省済南市にある格林生物能源有限公司に卸すようになった。格林生物能源有限公司は地溝油を飼料用にすると言っていた。
地溝油の原材料は飲食店の残飯と生ゴミ、そして汚水だ。下水口の汚水をすくい取って、簡単にろ過して原料とする。
7月4日公安部は、山東省、浙江省などと協力して済南格林生物能源有限公司が持つ、地溝油製造地下工場を摘発した。
捜査員の話によると、この地下工場は周囲に有刺鉄線が何重にも張られ、各地から運び込まれた地溝油を原料として食用油の生産から販売まで手がけていた。工員らは作業工程ごとに厳重に管理され、自分らが何を作っているかわからないようになっていた。
寧波市公安局副局長の話によると、この地下工場で生産された地溝油は加工時は「毛油」、加工後出荷される時は「紅油」、店頭で販売される時は「米ぬか油」とか「綿実油」と称され使用目的は飼料用油となっていたという。
7月14日公安部門は袁一ら17名を地溝油販売の疑いで逮捕した。袁らは格林生物能源有限公司から仕入れる時に、米ぬか油とか綿実油と説明を受けたが、色が赤っぽく臭いも異常を感じたため地溝油ではないかと感じていたという。
そして実際に自分の家では絶対に使わなかったという。
袁らはその地溝油を闇市場や、周辺の小さな飲食店、屋台、夜店などに卸していた。警察が捜査したところ、一部の中身が地溝油の瓶には有名な食用油メーカーのシールが貼られていたという。
8月10日、北京市食品安全監控中心は摘発された格林生物能源有限公司の地溝油の成分の分析結果を発表した。
それによると、この油から環境ホルモンや各種の有毒物質が検出され、中にはガンを引き起こす可能性が高いほどの悪性物質も検出されたという。
この2年間に格林生物能源有限公司から市場に出回った地溝油は1万トン以上は確実とみられているが、正確な総量はまだ分かっていないと言う。
8月22日、公安部は全国の公安機関に対して地溝油生産の拠点を徹底的に潰すよう”打四黒、除四害”をスローガンに4つの黒、すなわち黒作坊(小さい工場)、黒工場、黒市場、黒アジトの摘発と地溝油犯罪の撲滅に全力を注ぐよう指示を出した。
地溝油製造の写真はネットでも見ることができる。汚い下水道からひしゃくで汚水をすくったり、生ゴミも不燃ごみも一緒になった汚いゴミの固まりを圧縮して油を絞りとったりしている。
外食するのが恐ろしくなる図だが、しかしある専門家によると1人が10回外食したら1回は”地溝油”にあたっている可能性があるほど市場に出回っているという。誰でも一度は口にしたことがあるかもしれない。
(aoyun)
http://www2.explore.ne.jp/news/articles/17545.html