着服:長崎スマートカード委託業者、チャージ代金4500万円を /長崎
◇回収狙い契約継続 県交通局、被害届け出さず
県交通局が公共交通機関で使える運賃のプリペイドカード「長崎スマートカード」の積み増し(チャージ)を委託している長崎市のチケット販売業者が、
昨年12月〜今年2月の積み増し代金約4500万円を着服していたことが分かった。
県監査事務局が31日、県の公営企業会計定期監査結果を発表し「未収金の全額回収に懸念がある」と指摘した。
しかし、交通局は着服金の回収を優先するため被害届を出さず、業務委託も継続するという。
交通局によると、委託しているチケット販売業者社長が、10年12月1日〜11年2月1日に
積み増し代金として預かった約7000万円のうち、約4500万円を着服、
遊興費や飲食代などに流用していた。1カ月分の売り上げは翌月末に交通局に振り込む仕組みで、
12月分の振り込みがなかった2月1日に着服が発覚した。
その後、1日分の売り上げを翌日に回収することにし、約20年かけて着服分を
回収する弁済契約を結んだが、先月末までに約100万円の返還しかないという。
交通局は、発覚後に被害届を出さず、監査の指摘を受けた後も業者名を公表せず、
契約も継続している。担当者は「業者が倒産し回収できなくなることを防ぐため」と説明している。
【蒲原明佳】
毎日新聞 2011年9月1日 地方版
http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20110901ddlk42040477000c.html