ユーロ1カ月ぶり高値から急落、ギリシャが選択的デフォルトの可能性
7月4日(ブルームバーグ):東京外国為替市場では、午後の取引でユーロが1カ月ぶり高値か
ら急反落。格付け会社のスタンダード&プアーズ(S&P)がギリシャ債のロールオーバー(借り
換え)について、ギリシャを「選択的デフォルト(債務不履行)」の状態にする可能性があるとの
見解を示したと伝わり、ユーロ売り優勢の展開に転じた。
週後半に欧州中央銀行(ECB)の金融政策決定会合を控えて、利上げ観測を背景に朝方は
ユーロ買いが先行。ユーロ・円相場は一時1ユーロ=117円74銭と、6月8日以来、約1カ月ぶ
りの高値を付けていた。しかし、午後の取引にかけて、ユーロが伸び悩みとなっていたところに
、S&Pのニュースが流れ、117円13銭まで急速に水準を切り下げ、午後3時26分現在は117
円36銭付近で推移している。
ユーロ・ドル相場も午前に一時1ユーロ=1.4578ドルと、6月9日以来の高値を更新していたが
、午後には1.45ドル台前半に軟化し、同時刻現在は1.4535ドル近辺で取引されている。
一方、ドル・円相場は1ドル=80円97銭をドルの上値に80円台後半で推移。午後には対ユー
ロでの円高圧力が波及し、一時は80円69銭までドル安・円高が進む場面も見られた。
クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司ディレクターは、S&Pの発表を受けて市場は
ユーロ売りに反応したと指摘。ただ、今後が不透明なのでユーロを売り込む動きにも「限界」が
あるとも言い、今週のECBでトリシェ総裁がどのような見解を示すかが注目されるとしている。
(略)
SMBC日興証券国際市場分析部、為替担当の松本圭史課長は、今週のECB会合で「喫緊
の利上げ」を示す可能性は薄いとしながらも、引き続き緩和的な状況にあるということが示さ
れれば、「先行きの利上げ期待が高まる可能性がある」として、ユーロにポジティブに作用しや
すいと指摘している。
(略)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aWEiCXGr6Sl0