坪井がよみがえった。日本ハムを戦力外になり、オリックスに移籍した坪井智哉外野手(37)が、昇格即チームの
貯金1をもたらす適時打を放った。6回に田口の代打で初打席に登場。元阪神対決で藤田から右中間を破る
だめ押し適時打を放った。「もう必死です。本当に良かった」。“拾って”くれた岡田監督に最高の恩返しだ。
PL〜青学〜東芝〜つーぼーいー。懐かしい応援歌とともに、坪井が帰ってきた。クールな男もこの日ばかりは
感極まっていた。二塁上でヒットのボールをおねだり。自宅に飾っている阪神、日本ハムでの「初安打球」に、
特別思い入れの深いオリックスの1球も加えることができた。
坪井 興奮して、打ったボールも分かりません。こんな感覚は久しぶり。もう必死です。3つ目の初安打のボールは、応援してくれてる家族に渡したいです。
昨オフ、日本ハムを戦力外。阪神で98年から5年間一緒に戦った岡田監督に拾ってもらった。
今季は不振で開幕から2軍生活も腐らなかった結果、故障で離脱した北川と入れ替わる形で出番が巡ってきた。
坪井 監督から(代打いくから)「振っとけ」と。上げてもらった初日にこんな良い場面で使ってもらって。応えたい一心でした。
岡田監督 北川の故障で当分打線は日替わりになる。チャンスで確率ある打者を出すのは当たり前やん。
2点リードを奪った6回。移籍後初打席は好調田口の代打だった。藤田太陽との元阪神対決で持ち味の
粘りを見せ、右中間への貴重なダメ押し適時二塁打。関西復帰戦で「仕事人健在」を示した坪井に、岡田監督も大きな拍手を送った。
戦力外通告後、日本ハムからはコーチ就任を打診された。だがあと26本に迫った1000安打の目標もあり、
現役にこだわった。後押ししてくれたのは、オフに合同自主トレを行う同い年のマリナーズ・イチローのメールだった。
「自分の力を試したいと思うのは当然」だと。年が明けた1月、米独立リーグでのプレーも考えた時、岡田監督からの電話が鳴った。
「最後の最後に救いの手を差し伸べてもらって、ホンマ感謝の言葉しかないです」。キャンプで語った決意は
長い2軍生活でもブレることはなかった。集大成の14年目。恩返しは花道を用意してくれた監督を男にすることだ。
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