PowerColorブランドでお馴染みのTulは,TWTC Nangang内のプライベートルームで新製品を多数展示していた。 COMPUTEX TAIPEI 2011の目玉は,「Radeon HD 6970」を2基搭載した「PowerColor HD6970 X2」だ。
Radeon HD 6000シリーズにおけるAMDの最上位モデルがデュアルGPU仕様の「Radeon HD 6990」だというのは4Gamer読者なら 釈迦に説法だろうが,本製品は,Radeon HD 6990をコピーしたモデルというわけではない。
Radeon HD 6990では,デュアルGPUソリューションにありがちな,動作クロックに妥協が見られる設計になっていたわけであるが (関連記事),Tulでは,この妥協に「もの申す」と言わんばかりに独自設計でRadeon HD 6970を妥協なしに2基搭載するカードを 具現化してしまったのだ。 コアクロックは880MHzとRadeon HD 6970単体時のそのまま据え置きで,メモリクロックも同様に1375MHz(5.5GHz相当)となっている。 また,グラフィックスメモリも容量2GB のGDDR5×2と,Radeon HD 6970を2基搭載といった仕様である。
そこでTulでは,これと同時に開発していたもう一つのデュアルGPUカードがあるとのこと。 見せてくれたのは「Radeon HD 6870」を2基搭載した「PowerColor HD 6870 X2」だ。
シェーダプロセッサ数が1120基×2となり,Radeon HD 6990やRadeon HD 6970×2の1536基×2よりは大部少なくなるが, 単体のRadeon HD 6970よりはだいぶパフォーマンスが高くなるとのこと。Radeon HD 6990とRadeon HD 6970の間を埋める スイートスポット的なウルトラハイエンドモデルとして訴求していくようだ。
こちらは,補助電源も8ピン×2となっており,だいぶ現実的な仕様である。ちなみにPowerColor HD 6870×2のスペックは, コアクロックが900MHz,メモリクロックが1050MHz(4.2GHz相当),グラフィックスメモリ容量がGDDR5 2GB×2とのことだ。
Tulの担当者によれば,PowerColor HD 6870 X2は,「GeForce GTX 580」を競合製品に想定しているとのこと。そのため, 米国市場での想定売価は競合より低い449ドルで,7月発売を予定しているという。なお,日本市場での取り扱いは未定だ。