セルビアで大物戦犯拘束に抗議 1万人、警察と衝突
【ウィーン共同】セルビアの民族主義者ら約1万人が29日、同国の首都ベオグラード中心部で、
ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦時の大物戦犯ラトコ・ムラディッチ被告(69)を拘束した
セルビア政府に対する抗議デモを行い、
一部は警官隊と衝突、約100人が拘束された。フランス公共ラジオなどが伝えた。
旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)は内戦中の1995年、
ボスニアで6千人以上が虐殺された事件などを指揮したとして、ムラディッチ被告を起訴した。
セルビア政府は今週中に被告を同法廷へ引き渡す予定で、
被告の逃亡を支援した人々に対する捜査も進めている。
一方、セルビアには被告を「内戦の英雄」とたたえる声も根強く、
デモ隊はこの日、議会前などで移送反対や政府退陣を主張。一部は警官隊に投石するなどした。
ムラディッチ被告と面会した親族は29日、被告が「虐殺に関与していない」と述べたと報道陣に明らかにした。
被告の弁護士は30日にも、引き渡しに対する異議申し立てをセルビア当局に行う予定。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011053001000200.html