中部電力の浜岡原発全面停止決定を受け、家庭用の節電グッズや企業向けの自家発電機の需要が高まりをみせるなど、電力不足に備える動きが広がっている。関連する中部地方のメーカーや小売店は“特需”を見込んだ対応を強めている。
東日本大震災を受け、節電グッズ売り場を開設した東急ハンズ名古屋店(名古屋市中村区)。省エネを意識した扇風機がずらりと並ぶ。浜岡原発停止で節電需要がさらに高まるとにらみ、扇風機の入荷量を昨年の1・5倍に増やす予定だ。
売り場では、設定時間になったら電気機器のスイッチを自動で入れたり切ったりできる「節電エコタイマー」なども陳列。同店は「節電グッズの問い合わせは多い。扇風機も大型商品を取り寄せ、品ぞろえを充実させたい」と話す。
家電量販店エイデンを中部地方で展開するエディオン(大阪市)は、冷蔵庫に物を詰めすぎないなど、家庭でできる節電対策を売り場で紹介。省エネ性能の高い新商品への買い替えも積極的に勧めている。
自家発電機も、福島第1原発事故後から注目を集めていたが、中電の決定でいっそう需要が刺激された。愛知県豊橋市で発電装置を製造するシンフォニアテクノロジー(東京)は「菅直人首相が浜岡原発停止を要請した後、また問い合わせが増えた」という。
本年度の生産は「震災前に計画した量の5〜6倍が見込まれる」と予測し、増産対応を進める。
神鋼造機(岐阜県大垣市)も「顧客から『休止中の発電機を稼働させたい』との問い合わせが増えている」と話し、新たに開発してまだ生産前の蒸気発電機の引き合いまで強まっているという。
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