「免許が復興に役に立つ」がれきの石巻で自動車教習再開
道路脇に積み上げられた災害ゴミの山を縫って進む石巻自動車学校の教習車=宮城県石巻市(志儀駒貴撮影)
東日本大震災による被害の爪跡が残る宮城県石巻市山下町の石巻自動車学校が、教習を再開している。
死者・行方不明者が5千人を超える大きな被害が出た石巻市だが、いまだに大量のがれきが残るなかを、自動車学校の教習車が路上教習で駆け抜けている。
震災では、同自動車学校も激しい横揺れで事務室や教室の天井が落下し、高速教習シミュレーターが壊れるなど大きな被害を受けた。
津波で送迎バス3台のうち1台が水没。市内の道路もがれきでいっぱいのため、路上教習もできず、臨時休校を余儀なくされた。
金野茂校長(62)は途方に暮れていたが、教習生の一人が「こんなときだからこそ、生まれ育った石巻で免許を取りたい」と心情を吐露したのを聞き、早期の再開を決意した。
教室は隣の学習塾を間借りし、自衛隊によるがれきの撤去作業の進捗(しんちょく)状況に合わせながら路上教習のコースも変更した。
新しい高速教習シミュレーターが届いたのは、再開前日の3月31日だった。
金野校長は「復興作業を行うにも車が必要。地元出身の若者には、自動車免許を石巻の復興に役立ててほしい」と話している。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110430/dst11043012320011-n1.htm