4月26日(ブルームバーグ):福島第一原子力発電所事故で被害を受けている福島県の牛に代わって千葉県の牛が「モー抗議」。
東京・内幸町の東京電力本店前に牛を1頭引き連れ抗議に来たのは千葉県匝瑳市の農業、安藤正司さん(67)。
安藤さんは以前、酪農業も営んでおり、「原発事故のとばっちりで殺される福島県の牛を見ていて黙っていられなかった」と、放射能漏れ事故の当事者である東電に直接抗議しに来た。
酪農業は昨年8月に腰を痛め廃業しており、今回は仲間の牛1頭を軽トラックで運び、荷台に乗せて東電本店前に現れた。
安藤さんは「仲間のために補償をきちんとしてほしい」と訴えた。
この日、東電本店前には福島県農民連、全労連、安達地方農民連など数百人が集まり、スピーカーなどで抗議行動を行った。
福島県二本松市の「エム牧場」から来た玄永義之さん(27)も東電・本店前で抗議行動を行った。
「東電、国は大損害を償え」の看板をワゴン車に掲げている。
午前4時に自宅を出発し、昼前に東電本店前に到着した。
その後は国会前でのデモ行動に参加するという。
玄永さんに同行した面川仁さん(27)は牛を1頭連れて、抗議行動に加わった。
面川さんは「何をするにも情報がないので、はっきりしてほしい。補償も具体的なことが何も分からない」と怒りをぶちまけた。
玄永さんによると、エム牧場は避難地区に指定されている浪江町に300頭の牛を持っているが、3月末に牛舎から牛を放した。
玄永さんは「避難地区になり、もう世話ができないので牛を放した。できるだけ生き続けてほしい」と語った。
抗議行動に参加した会津農民運動連合会事務局長の安部一浩さん(50)は「福島産というだけで、原発事故以後、買い手がつかない状態だ。国が土壌の放射線基準を設けて人体に害がないと言っても消費者は納得していない」と述べた。
その上で、「秋に収穫するコメは買い手がつかない可能性が高い。補償をはっきりした形でどうするか示してほしい」と訴えた。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/data?pid=avimage&iid=i_7ZbO174EnY http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=a6Q7JMJd3Gng