研究の現場から:景観から地域ブランド構築 /四国
◇四国大経営情報学部・西口真也助教
マーケティング論を専門にする四国大経営情報学部の西口真也助教(35)が、マーケティングの手法を活用した地域ブランドの確立を目指している。
地域が持つ“らしさ”を分析し、個別の建物を地域の景観になじむデザインにすることで、誰もが地名を聞けばその町の風景を思い浮かべるようにするのが目標だ。
大学卒業後に就職した広告代理店でマーケティングに触れ、より深く学びたいと大学院に社会人入学した。
現在、企業は自社ブランドを浸透させようと「店舗デザイン」に力を入れているという。
その店舗デザインに興味を持ち、マーケティングとの関係を研究する中で、地域全体を店舗と同様に一つの空間に見立て、マーケティングを応用する考えが浮かんだ。
事例研究したスペインのビルバオでは、先進的なデザインで建てられた美術館を中心に、地域全体で景観を含めたブランド作りを進め、成功していた。
国内では、地域の景観に合わせて博物館などの文化施設を建設するケースはまだまだ少ないという。
科学的データを集め、顧客のニーズを分析するマーケティングの手法について「訴えたいものの“らしさ”を整理し、相手に伝える技術」と説明する。
その上で、「地域ブランドの構築を進めるには、街全体の景観について総合的な計画を立て、個別の建築デザインを考える必要がある。そこにマーケティングを持ち込む意味がある」と訴える。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110427-00000178-mailo-l39