在日米軍「これ以上日本政府が事実を隠すならば独自に撮影した原発画像を公開する用意がある」
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110422ddm010040189000c.html 「日米同盟の証し」とされる米軍の「トモダチ作戦」。その舞台裏では米軍独自の作戦が早くから進行していた。
最新鋭の無人偵察機グローバルホークが太平洋の米領グアム・アンダーセン空軍基地を飛び立ったのは
震災翌日の3月12日。福島第1原発で水素爆発が発生し、大量の放射性物質が放出されていた。
「日本政府からの情報を頼りにして対応が遅れれば、米兵の命に関わる」(在日米軍幹部)。米軍は日本
からの情報不足に危機感を強め、独自の偵察活動に乗り出していた。
約4時間かけて三陸沖上空に入ったグローバルホークは上空18キロの高高度の原発上空を旋回
。米カリフォルニア州のビール空軍基地から衛星通信を通じた遠隔操作で被災状況を撮影した。これまで
被災地と原発周辺をほぼ連日旋回。すでに約1万5000枚を撮影し、大半を日本側に提供しているという。
しかし、写真の公開か非公開かを巡り、防衛省と在日米軍との認識のずれが表面化する。
「グローバルホークによる撮影を可能な限り実施して情報提供してほしい」
3月18日、防衛省を訪れたルース駐日米大使に北沢俊美防衛相が要請した。米軍が撮影した写真は
震災直後の宮城県の惨状も記録しており、「UNCLASSIFIED」と機密情報ではないことが付されている。
在日米軍関係者によると、グローバルホークの写真はすべて「公開可能」に分類されているという。
これに対し、3月30日の参院外交防衛委員会で北沢防衛相は「(米軍は)秘匿区分のない画像であった
としても、(公開に)極めて否定的」と答弁した。しかし、在日米軍司令部は毎日新聞の取材に、公開、
非公開の権限は「日本政府にある」と回答した。