「本当に誰もいない」新千歳国際線ビル閑散
閑散としたターミナル、シャッターが下りたテナント――。
東日本大震災の影響で、外国人観光客が大幅に減った北海道・新千歳空港。4月に運航が計
画されていた国際線のうち、欠航便は約35%(160便)に上る見込みで、玄関口となる国際線
ターミナルは今も人通りが少ない状態が続いている。
「本当に誰もいないんです」。19日午後、出発口があるターミナル3階の玩具店の店長は、困り
果てた表情でこぼした。この日の出発便は中国・大連とソウル便だけ。午後2時過ぎ、2便とも出
発してしまうと、広いロビーはビルの職員や空港関係者が行き来する程度。玩具店の隣にある
喫茶店と向かい側にある海産物店は早々と店じまいした。
16日には香港から震災後初となるツアー客が到着、20日にも香港から団体客が訪れるなど、
外国からのツアー客が戻る兆しも見える。だが、中国圏から連日多くの観光客が来ていた2月の
春節やさっぽろ雪まつりの頃のにぎわいに比べるとほど遠い。
東京電力福島第一原発事故が長期化する中、航空各社は5月以降も減便などを決めている。
空港関係者は「外国からみれば福島も北海道も一緒なんでしょう。この状況はもうしばらく続くか
もしれない」と不安を漏らしている。
(2011年4月21日16時40分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20110421-526163-1-L.jpg 相次ぐ国際便の欠航で閑散とした状態が続く国際線ターミナル(19日午後2時40分頃)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110421-OYT1T00315.htm