トイレの後の手洗いって、本当に必要?
大半の男性が「水でさっと流すだけ」というトイレの後の手洗い。周囲に聞けば、なかには「まっ
たく洗わない」という意見まで。たしかに目に見えた汚れが付くわけでもないので、あまり丁寧
に洗う必要もないような…。実際にトイレの後の手洗いはどれほど有用なのか、衛生用品を
扱うサラヤ株式会社の衛生インストラクター・村松寿代さんに伺ってみました。
「とくにデパートなどの綺麗なトイレを使った後には、きちんと洗わない人が多いようですね。
清潔なトイレならあまり汚れない、というイメージがあるのでしょう。ですが男性の“小”の場合、
手指につく菌の多くはトイレ自体のものではなく、皮膚に付着している黄色ブドウ球菌という菌。
これが手に残っていると、食品などを介して増殖し、悪い場合には食中毒にもつながってしまう
のです。また“大”のときには、さらに注意が必要。トイレットペーパー10枚以上を透過するとい
われる大腸菌群のほか、個室の取手や便座、洗浄レバーにはノロウィルスも。どちらの場合も、
しっかりと時間をかけて手洗いした方がいいでしょう」
うーん、やっぱり手洗いは必要なのですね。では“水で流すだけ”というのは、意味がないので
しょうか?
「水洗いがまったく無意味なわけではありませんが、やはり石鹸や消毒用アルコール、ペーパ
ータオルの利用が望ましいですね。手洗いによる大腸菌群の検出テストでは、手洗い前の検
出数を100%として、石鹸+ペーパーでは62.5%、石鹸+アルコールで12.5%、石鹸+アルコ
ール+ペーパーで0%という結果になっています(2011年1月 サラヤ実施)。正しい手洗いを行
えば、手指の菌をこれだけ除去できるのです」
ちなみにサラヤが勧める正しい手洗いの方法は、手指を流水で濡らした後、石鹸を手のひらに
取り、手のひら、手の甲、指の間、親指、指先、手首をこすり合わせるように洗う、という流れ。「
少なくとも20秒ほどはかけましょう」と村松さん。さっと済ませたいだけに、時間をかけてといわ
れるとちょっとひるんでしまいますが、手洗いは感染症予防の第一歩。ぜひ心がけるようにし
たいですね。(鴫原夏来/サグレス)
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/wxr_detail/?id=20110421-00005988-r25