東電の発表した原発事故の収束工程、ほぼ実現不可能であることが判明

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1 忍法帖【Lv=12,xxxPT】 (兵庫県)

 東京電力が17日発表した福島第1原子力発電所の工程表は、原子炉の冷却や放射性物質の放出抑制などの重要課題に2段階で取り組む目標を示した。
「工事をやると決めてから資材を取り寄せることもこれまでままあった」(海江田万里経済産業相)というが、今後は計画的な発注が可能になるとの期待がある。
放射線量が高い作業環境で、工程を遅れなしにこなすには課題も山積する。

工程表によると原子炉冷却のため、燃料棒が入った圧力容器の外側にある格納容器の大半を冷却水で満たす「水棺」方式を採用する。
まず1、3号機で実施する。

 急速に冷えると容器内の水蒸気が水になり、水素ガスなどの濃度が相対的に上がって水素爆発の危険性が増す可能性がある。
工程表では予防的に安定した窒素ガスで格納容器を充填するとしているが注意が必要だ。

 2号機は格納容器の一部、圧力抑制室が損傷して放射性物質の高濃度汚染水が漏れ出ているため事前に修復しなければならない。
工程表は粘着質のセメントで損傷部分をふさぐとしたが、作業は危険を伴う。
他の原子炉に比べ冷却に時間がかかりそうだ。

 工程表によると2号機は当面、最小限の注水による冷却を続ける。
水素爆発を防ぐために窒素ガスも入れる。
内部の温度や圧力、漏水の状況などをみながら慎重な操作が欠かせない。

 水棺の実施後も、水が徐々に温まるので炉が十分に冷えない可能性がある。
工程表では1〜3号機とも、温まった水から熱を奪う熱交換器を設置するとしている。
ただ東電によると1号機の原子炉建屋内の放射線量は毎時270ミリシーベルトと極めて高く、作業員が入れる状況ではない。
熱交換器をどの配管とつなげば循環させられるかなどの検証にも時間を要する。

東電福島事務所は原子炉から燃料棒を取り出すのは「1、2年のスパンで考えている」と説明する。
東芝や日立製作所などは海外メーカーと組んだ廃炉計画を提案しているが、損傷した燃料棒の扱いは難しい。
原子炉解体や建屋撤去などの処理を終えるまでに、10〜20年かかるとされる。
冷却など当面の対策が不十分なら、作業はさらに長期化する可能性がある。

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E3E5E2E3E58DE3E5E2E6E0E2E3E39C9CEAE2E2E2