福島第1原発事故で避難指示が出ている20キロ圏内の自宅へ家財道具を取りに戻る住民が後を絶たない。
栃木県の避難所で暮らす男性会社員(44)もその一人。
「新生活を始めようとしても資金が足りず、行政の支援もない。ほかに方法がなかった」。
男性によると、原発事故のため、震災翌日の3月12日早朝に福島県浪江町の自宅を出て、両親や息子2人、親戚らと避難所に身を寄せた。
帰宅できる見込みはなく、茨城県内でアパートを借りようと考えた。
だが、着の身着のままで飛び出し、家財道具をそろえる金銭的余裕もない。
「放射線の影響は怖いが、最低限のものは取ってこなくては」と、いったん自宅へ戻る決意をした。
生活に最低限必要なものを選び、車に詰めた。
「次にいつ戻れるか分からない。『住んでいた証拠』を手元に置いておきたいと思い、自宅や家族の写真を収めたアルバムも捜し出した」。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110409/dst11040920570073-n1.htm