2011年04月06日07時00分
提供:NEWSポストセブン
いじめっ子に急にやさしくされると戸惑ってしまう。
強硬な対日外交を展開するロシアで「北方領土返還論」が叫ばれているとなると日本人は困惑せざるを得ない。
ロシアの大衆紙モスコフスキー・コムソモーレッツは3月18日の紙面で、
東日本大震災に見舞われた日本への同情の印として、
「ロシアは北方領土を日本に返還すべきだ」とする驚愕のコラムを掲載した。
筆者は女性記者ユリヤ・カリニナ氏。
これまで領土返還に反対だったという。
しかし、「地震と津波ですべてが変わった。日本に降りかかった不幸を和らげるために、
クリル(北方領土)を今すぐ無条件で引き渡すべきだ」と主張している。
いわば人道的見地からの返還論であり、
「ロシアは広大な国土面積の0.035%にすぎない4島に固執する必要はない」と太っ腹な意見を開陳している。
図らずも、同じ日にロシアの著名な政治学者が
「日本への敵視政策を世論の力で転換させよう」との対日宥和論を展開していた。
カーネギー財団モスクワ支部主席研究員のリリヤ・シェフツォワ氏は自身のブログで、
震災後も秩序を守る日本人は「世界に道徳的優位性を示した」と称賛。
「いまやクレムリン(大統領府)も日本を脅すやり方に戻ることはできないだろう」と述べている。
さらに、旧ソ連が1945年に一方的に日本に宣戦布告したことや、シベリア抑留などにも言及し、
「ロシアは日本への懺悔を考えるべきだ」とまで宣言した。
※週刊ポスト2011年4月15日号
http://news.livedoor.com/article/detail/5469527/