次に食品から検出される放射線の量の基準だ。
水道水からヨウ素131が検出されたとき、「暫定」規制値を上回る・・という表現がなされていた。
厚労省によると、実はそれまで基準がなかったので、
17日になって、原子力を安全に利用するため行政機関や事業者を指導する役割を担う原子力安全委員会が示していた指標値を、
暫定的に使用することにしたのだという。
この基準がそれ以前からあった輸入食品に関わる規制よりも緩いものだったことから、ネット上で、
この基準で大丈夫かという批判が渦巻いた。
では、今回その基準はどのように決められたかというと、ICRPの勧告した放射線セシウム(1年当たり実効線量5ミリシーベルト)、
放射線ヨウ素(同50ミリシーベルト)をベースに、それぞれの食品を飲食するときの量などを考慮して専門家が定めたという。
その結果が放射性ヨウ素で飲料水、牛乳(原乳)なら1キログラム当たり300ベクレル、セシウムは同200ベクレル、
野菜類ならヨウ素同2000ベクレル、セシウムなら同500ベクレルといった上限値だ。
輸入食品については、チェルノブイリの後、セシウムについて1キログラム当たり370ベクレルという暫定規制値が使われていた。
問題は、こうした基準そのものだけでなく政府の広報の仕方にもある。
飲料や食品の基準を超えても、枝野幸男官房長官が「ただちに健康に影響があるものではない」と繰り返し言うので、筆者は当初、
「短期間なら基準を超えたものを食べても大丈夫だが、ずっと食べ続けたら危ないよ」という基準なのだと思っていた。
だが24日の会見で、枝野長官が、「ただちに健康に被害が出ないことはもとより、
将来にわたって健康に影響を与えるような放射線量は受けない」と言ったものだから、わからなくなった。
http://jp.wsj.com/japanrealtime/tag/%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A/