政府は、子ども手当について、6か月延長する「つなぎ法案」の成立を優先させるため、
野党側が反対している、支給額の上積みを盛り込んだ「子ども手当法案」を取り下げる
ことを、持ち回りの閣議で決めました。政府・民主党は、ねじれ国会の下、衆議院での
再可決も視野に入れながら、参議院での可決・成立を目指し、衆議院で賛成した共産党
や社民党のほか、無所属の参議院議員らにも働きかけを続けています。
中学生以下の子ども1人当たり月額で1万3000円を支給する、子ども手当を巡っては、
今の制度を6か月延長する「つなぎ法案」が、29日の衆議院本会議で可決され、参議院
に送られましたが、自民党が、「つなぎ法案」は政府の「子ども手当法案」と矛盾しており、
参議院での審議には直ちに応じられないとしていました。このため、政府は、「つなぎ法案」
の成立を優先させるため、30日の持ち回りの閣議で、すでに審議が行われているものの、
野党側が反対している、支給額の上積みを盛り込んだ「子ども手当法案」を取り下げること
を決めました。衆議院事務局によりますと、政府が国会で審議中の法案を取り下げるの
は、昭和33年以来ということです。一方、「つなぎ法案」の取り扱いを巡って、参議院厚生
労働委員会の理事懇談会が開かれ、31日、法案が厚生労働委員会に付託されれば、直
ちに審議に入り、その日のうちに採決を行うことで、与野党が合意しました。民主党は、ね
じれ国会の下、衆議院での再可決も視野に入れながら、31日中に「つなぎ法案」を成立さ
せたいとして、衆議院で賛成した共産党や社民党のほか、無所属の参議院議員らにも働
きかけを続けています。つなぎ法案には、自民党など、ほかの野党は反対する方針ですが、
みんなの党の一部から賛成したいという意見が出ており、参議院で可決されるかどうかはぎ
りぎりの情勢です。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110330/t10014998131000.html