“若者的なる者が消費する”という概念 (1/3)
日本の高齢者がお金を貯蓄に塩漬けにして消費しない理由を、
「将来が不安だからお金を使わない」という1点だけで説明しようとする人もいるのですが、ちきりんはそれがすべてだとは思っていません。
高齢者向けの消費プロモーションが医療・介護分野を除いて盛り上がらないのは、モノを売る側、特に広告、
マーケティング側の業界や人たちに「消費をするのは若者である」という固定観念が強く残っているからです。高度成長期、
人口増大期に形成されたこの感覚は、高齢化社会を迎え、若者の所得が非常に低く抑えられている今でも根強く残っています。
「アクティブシニア」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。
これは、旅行や趣味、さらには恋愛にまでアクティブに行動する高齢者層を指す言葉です。この概念は「若者=アクティブ」
「高齢者=非アクティブ」という前提から発しており、
「最近は高齢者の中にも若者のようにアクティブな生活を送る人が現れてきた」ということを意味しています。
しかし、この言葉は「若者のように行動するシニア」を消費者として認識する一方、「若者のようにアクティブに行動しない、
ごく普通のシニア」については、消費者として認識しないという問題を含んでいます。現実的には「シニアらしいシニア」が大半なわけですから、
これでは高齢者の大半は消費者と認識されないままになってしまいます。
全文はソースで
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1103/28/news004.html