【仏国ブログ】福島原発事故「関係者の隠ぺい体質がもたらした罪」
福島第一原子力発電所の事故について、仏ルモンド紙は「フクシマ、沈黙の有罪」と題し、福島原発に関連する
過去から現在までの「沈黙」について報じている。
記事は福島原発をめぐる日本での現状について、政府や東京電力からの情報が少ないと指摘している。放射
能漏れの影響による危険は認知されているが、情報からどの程度危険な状態にあるのかがよく分からないこと
もあり、テレビ番組からの情報や、専門家のブログなどから情報を得ている状況で、不安がますます高まってい
ると説明。
この背景には、原子力発電所の開発に政治的な権限を強く持つ経済産業省や原子力安全・保安院、原子炉製
造会社、電力会社ら政財界で権力をもつ組織が、結びついていることを挙げている。
このため情報操作が比較的容易であり、また電力会社は広告主として権力も持つため、新聞やテレビなどのマ
スコミ操作も可能な状態にあったのではないかと指摘している。
福島原発は日本でも事故が多く2005年〜09年の間には15件ほどの事故も発生していたが、東京電力は事態の
改善を積極的に行ってきていなかったことが、今回の地震と津波による事故によって洗い出されたと伝えている。
記事には多数の意見が寄せられている。原子力発電所をめぐり政財界が密接に結びついているのは、日本に
限らず、フランスやほかの国も同様だといった意見が多く上がっている。
原発に関わる人々による情報の隠ぺい体質がさまざまな形で暴露されつつある今、日本はもちろん世界規模で、
安全で低コストで建設な発電といわれてきた原子力発電に疑問が生じているとのコメントも見られる。
福島原発事故とその後の東京電力や政府の対応は、原子力発電所をめぐる癒着や隠ぺい体質について、フラ
ンスでも注目が集まっている様子がうかがえる。(編集担当:山下千名美・山口幸治)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0328&f=national_0328_029.shtml