ブラジル高速鉄道、入札再延期の公算 長期運営リスク警戒で 2011/3/27 19:10
ブラジル政府が、4月11日に予定している高速鉄道建設・運営事業者選定の入札を、再び延期する
公算が大きくなっている。
もともと昨年11月に実施予定だったが、韓国の企業連合を除く各国グループが「採算性が不透明」と
判断して応札見送りを決定。
政府は競争確保を目的に延期したが、その後も地元建設会社や日本やフランス勢が慎重な姿勢を
崩していないことが背景だ。
高速鉄道計画はリオデジャネイロ―サンパウロ近郊の510キロを結ぶもの。
昨年11月時点で応札の意向を示していた韓国の企業連合に加え、スペインの鉄道車両メーカー、
タルゴも3月に入って応札準備を進めていることを明らかにした。
ただ提携するブラジル建設会社との調整に手間取り「予定通り入札が行われた場合は参加できない」と明言。
担当官庁である陸運庁は、タルゴの意向を受けて延期を検討する意向を示した。
その他の高速鉄道関連団体も延期を要請している。
ブラジル政府は入札を延期した昨年11月以後も、建設条件や資金負担条件など基本的な枠組みは維持。
郵政事業からの資金投入など民間側の資金負担の軽減を図っているが、各国の民間企業は建設に加え
30年にわたる運営リスクを背負うことを強く警戒している。(サンパウロ=檀上誠)
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C9381959FE0E4E2E1E48DE0E5E2E1E0E2E3E39494EAE2E2E2